著作(創作)について

目次

はじめに (お断り)

以下の話題や事例は、PukiWiki Developers Team 側の一方的な主張ないし行動、あるいはこれまでの先方とのやりとりの経過にすぎませんが、互いの著作、およびプロジェクトの未来を不用意に失わないための形式を、ある程度広く示す目的で掲載するものです。

著作、著作権、著作者などに関する話題は、最終的に各国の法律などによって個別に判断されます。

メッセージ: 著作されたモノの節度のない取扱いは、そのようにして作られたモノの寿命をほぼゼロにする

多くの場合において、「流用やコピー」は、あなたが未来をもたらすための手段にはなりません。

著作という行為を軽視し続けている場合、あなたの著作や、あなたの属する組織や、あなたのユーザーの未来を結果的に失わせる程度の影響が生じます。

たとえ「あなたらしさ」が どれだけ入っているとしても、理由になりません。

 

原因: 想定を無視した取り扱い

誰かによって「著されたもの」(創作されたもの)の多くは、「あなたや、あなた方の著作(創作物)の中に気ままに流用(やコピー)されること」を想定していません。

例:

  1. アイデンティティ
    • 特定のものの独自性を支えるために用意された著作は、流用(やコピー)される事を全く想定していません。
  2. ライセンスが不明である著作物
    • 何が想定されていないかが明確でないので、通常は何もできません。
  3. ライセンスつきの著作物
    • 特定のライセンスが1つ与えられた著作物は、そこに規定された内容のみを想定しています。ライセンスの期限についても同様です。
    • 著作者(場合によって一人ではない)は、法が著作権を認める範囲において、今後の著作物に割り当てるライセンスを決めたり、とある著作物の今後のライセンスを変える権限を持っています。
    • ライセンスの条件が異なる場合、「二つの著作物を一つにする」行為は想定されていません。
  4. 著作権などの各種権利が切れたとされる著作物
    • あなたや、あなた方の著作やその一部として流用する行為は(著作者により明示されていない限り)想定されていません。

コピーや流用を想定していない著作は、そもそもそのように取り扱うべきではありません。

 

対応: 長期的にどのようにふるまうべきか

 

対応: 短期的にどのようにふるまうべきか

 

事例

 

PukiWikiの取扱い事例 (初期~) : 複数のGPLライセンス

PukiWiki のライセンスの大部分は、"GPL v2 or (at your option) any later version" となっています。ただし、一部に "GPL2"、 一部に "GPL"(任意のバージョンと解釈される)となっているものが含まれています。

現時点では、全体として "GPL v2" として統一的に解釈できるため極端な齟齬がありませんが、著作物の想定、および方向性が統一されていない現状は適切であると言えず、将来性があるとも言えません。

 

PukiWikiの事例 (2003-2005): "TrackBack"の実装に関する流用の疑い

 
訂正とお詫び:
 当初「Six Apart 社が厚意で公開しているリファレンスデザインを」という表現になっておりましたが、これは明確に誤りです。訂正してお詫びします。BugTrack2/62 にある通り、TrackBackのリファレンスデザインがPukiWikiにマージされた痕跡は見つかっていません。発端になったものは Six Apart社のWebサイトに由来するCSSです。「デザインとアイデンティティの問題 (2007)」 もあわせてご覧下さい。
 
trackback_list.png

PukiWiki 1.4 (2003年) に取り込まれたTrackBack の実装が、Six Apart 社が公開していたWebサイトのデザイン(少なくともCSS)を、ライセンスの確認のなく、そのまま流用(コピー)しているのではないかという懸念が 2005年に浮上しました。

これをGPL v2 ライセンスで公開している製品に取り込んで(マージして)良いかどうか、事前にその調査をした証拠が見つかりませんでした。事後の調査でも確認できませんでした。

最終的にその部分を根元から削り、該当部分を含んでいる製品パッケージの公開を全て停止し、該当部分が含まれない製品をリリースし直し、以上の準備が整ってから全ユーザーを対象に告知と改修を呼びかけました。

その後、流用の疑いを消せない部分がもう一箇所見つかり、もう一度改めて上記の対応を行いました。

 
trackback.css.png
 

PukiWiki の判断事例 (2006): Webサイトのデザインと製品デザインの混同

「PukiWikiについて触れている書籍に、(製品としてのPukiWikiを意味するものとして) PukiWiki公式サイト のロゴマークを用いたい」という申し出を受けました。

 
Parret_small.png
pukiwiki.png
上: Webサイトのアイデンティティのために用意されたデザイン(部分)

左: 配布している製品のためのデザイン(部分)
 

該当デザイン(official, dev の二種)は経緯的にWebサイトのためのアイデンティティとして成立したものです。また、製品のアイデンティティとしてのデザインは別途存在しています。

手法次第のところもありますが、気ままなアイデンティティの混同は、著作物の不適切な取り扱いと同様に、一般的に製品の寿命に(たとえ短期的に良く見えたとしても)良い影響を与えません。

現時点のこの状況をご説明し、了解をいただきました。

 

商用Wikiサイトの事例: 構築方法に関して

GPLとして配布しているものに含まれるものについては、流用は問題ありません。以下の様な流用は問題ありません。

 

商用Wikiサイトの事例: デザインとアイデンティティの問題 (2007)

「pukiwikiのデザイン流用について」という件名で、「PukiWiki (official サイト)のCSSをベースにデザインを行ったが、NGかどうか。1から作成すれば良いのか」という主旨の問い合わせがありました。

流用の元が製品パッケージではなくofficialサイトのデザインであったため、「officialサイトの模倣」を成立させていたもの全てを破棄するよう求めました。

左:当時の商用Wikiサイトのデザイン(の一つ)
右:PukiWiki officialサイトのデザイン
PukiWiki-official_2010-08-31_small2.png
before_small2.png
  1. GPLで配布されているモノ(配布物のデザインを含む)そのものの流用であれば、このような問題は起こりません。GPLで公開されている PukiWiki配布パッケージのデザイン や、tDiary theme などが該当します。あなたがそれを受け取った時、あなたはそれを(ソースコードを含めて)自由に利用できます。あなたから受け取った人も同様にできなければいけません。
    • ※特徴のあるロゴマーク、商号、商標、製品名、そのほか固有の表現などについては、誤認や別の問題をはらんでいるため、流用を避けるべきです。
  2. PukiWiki公式サイトのデザインは、公式サイトのアイデンティティのために、製品パッケージとは独立して創作されたものです*1
  3. 特定のWebサイトのデザインの模倣のように見えるデザインですが、実際は量の大小にかかわらず『手段として「他者の創作物のコピー」が用いられ』ており、模倣の範囲を超えているものです。

最終的に、デザイン(見た目の部分)が作成され直されるとともに、元のデザインに関連する部分が撤去されました。

 

参考文献

著作 / 創作


ライセンス


リライセンシング

 

コメント

最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 何故、本記事をBugTrackに起票されたのか意図が酌めません。開発者向け情報として整理する間がBugTrackなんでしょうか? -- 2010-08-28 (土) 13:31:34
  • また、重要な事項であるにもかかわらず、「優先順位: 普通」というのも良くわかりません。 -- 2010-08-28 (土) 14:09:42
  • 基本的にあらゆる改善提案をすべてBugTrackで提言することになっているからじゃないですか?(公式web関連はWebTrackで、緊急性のある場合は PukiWiki Developer Team のメンバー全員への同報メールですが)
    いまだにBugTrack2/62が尾を引いていますし、たとえドキュメントなどが完成したとしても宣伝などのためにこのまま存在するのではないでしょうか -- 2010-08-28 (土) 14:14:37
    • これは、改善提案ではなく開発者向けの啓蒙ですよね? -- 2010-08-28 (土) 16:56:31
      • 「着手」、どやったら、「完了」するんだろ? -- 2010-08-31 (火) 23:53:08
  • ライセンスにはエンドユーザー用のものもありますから、開発者向け限定の話題ではないはずです -- 2010-09-01 (水) 19:33:27
  • 商用Wikiサイトの事例: デザインとアイデンティティの問題 (2007)に関連するのですが、official:PukiWiki-official/仕様/旧-20040820以前に公開されているファイルの取り扱いなどはどうしましょうか?(公開停止orライセンスの明記?) -- 2010-09-01 (水) 19:41:55
    • こんにちは。何か特別に手を打たないと、こちらの寿命を縮めるといったような要素がある様には思いませんでした。見落としているようであれば、お教え下さい。とりあえず凍結しておきました。BugTrack/21 も同様です。 *2 -- henoheno 2010-09-02 (木) 00:40:46
  • 著作物の関連: BugTrack2/337(パッチに関する話) -- 2010-09-05 (日) 23:22:12
  • 関連 official:PukiWiki/Install/ライセンスについて -- 2010-10-10 (日) 22:08:33
  • 【レポート】弁護士が明かす、GPLの法的リスク - オープンソース知財セミナー2010 | エンタープライズ | マイコミジャーナル -- 2010-11-25 (木) 19:58:28
お名前:

*1 PukiWiki Developers Team が公式サイトのデザインを明確にGPLでリリースしたという事もありません。
*2 "設定、カスタマイズの参考に" してもらうために置かれたものであり、著作者の宣言も著述年もライセンスも明示されていないけれど、状況的にサイト管理者の手による近年の作である事は伝わる、というモノです。コピーされることを想定していない点については明確に伝わるでしょう。先が見通す余裕がある状況なら、あれを手早くコピーして早く家に帰ろう、などといった悲しい回路は生まれないでしょう。

添付ファイル: fileParret_small.png 344件 [詳細] filepukiwiki.png 325件 [詳細] filetrackback_list.png 658件 [詳細] filetrackback.css.png 655件 [詳細] filePukiWiki-official_2010-08-31_small2.png 575件 [詳細] filebefore_small2.png 614件 [詳細]

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Last-modified: 2010-09-08 (水) 06:58:04
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