サイトの概要をメタデータとして簡潔に記述するXMLフォーマット。
Netscape社が自社のポータルMy Netscapeに「チャンネル」を登録するための手段として1999年3月にバージョン0.9(http:// home.netscape.com/newsref/pr/newsrelease744.html)を開発・公開した。当時Webにはいくつかの配信フォーマットがあったが、RSSはコンパクトで扱いやすいために、それらに取って代わる新しい標準として受け入れられ、現在最も広く使われているXML応用言語の一つとなっている。
最初のRSS(RSS 0.9)(http:// my.netscape.com/publish/formats/rss-0.9.dtd)はもともとRDFベースで、基本的には見出し一覧を配信するためのものだった。1999年7月には、概要を記述するdescriptionなど、UserLandのScriptingNews規格から10以上の要素型を取り入れたRSS 0.91(http:// my.netscape.com/publish/formats/rss-spec-0.91.html)が登場する。見出しだけでなく要約、格付け、著作権、更新日付などさまざまな情報も加えたサイトサマリーを提供できるところからRich Site Summaryと呼ばれ、何割かのコンテンツプロバイダはこの新しいフォーマットを採用した。ただしRSS 0.91では、RDFはチャンネル作成者にとって複雑だとして、ルート要素をrssとする独自のXMLに変更されている。
その後、Netscape社はRSSから手を引くが、サイトサマリーを提供する枠組みとしてのRSSへの要望はむしろ高まり、これに独自の要素型を加味して用いるユーザーも出現するなど、混乱の様相を見せてきた。そこで、基本的なサマリー提供機能をコアなRSSとして定義し、より高度な機能は(XML名前空間を利用した)モジュールとして追加できるようにするという新しい規格が、改めてRDFに基づくものとして開発者のグループ(RSS-DEVワーキンググループ)で検討された。この成果として2000年12月にRSS 1.0が提案された。RSS 0.9およびRSS 0.91も依然として広く用いられているが、RSS 1.0がこれから注目すべき規格と位置づけられ、多くのサイトが採用するようになった。
これと並行に、RSS 0.91を拡張した RSS 0.92,RSS 0.93,RSS 0.94が提唱されたが、標準化に関する議論が同時に起こっていた為 多く使われるには至らなかった。UserLand社の創始者で RSS 0.91 の開発などを行った Dave Winer が Harvard Univ. Berkman Center for Internet & Society の研究者になった事に伴い、2003/07/13に これらの拡張を整理したものである RSS 2.0の仕様が Creative Commons ライセンスで公開され、これを使用するサイトも多く現れている。
さらに 2003 年には、コンテンツ自体などを配信する方法として、まったく新しいフォーマットを提唱するグループも現れた。IBMのSam Rubyらのグループが提唱した ATOM*1であり、googleが採用したことで有名となった。
RSS 0.91や RSS 1.0 はヘッドラインや要約などのメタデータを配信するものであったが、RSS 2.0 や ATOMは、記事などのコンテンツ自体の配信を可能することを目的とするものである。
RSS 2.0とATOMに関しては、2004年現在、Internet Engineering Task Force(IETF)の元 統合の動きもある。
日本においては、アンテナサイトがその更新情報を他のアンテナサイトとやりとりする為の規格が存在している。なつみかん標準のLIRSや朝日奈アンテナのhina.diなどである。
PukiWikiでは、0.91と1.0での出力をサポートしている。 1.4.5 以降では、上の2つに加えて、RSS 2.0 での出力もサポートしている。